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青春の汗と涙が再び燃え上がる、魂のバスケットボール映画

2022年末に劇場公開された映画『THE FIRST SLAM DUNK』。公開から2年以上が経った今、待望の「STANDARD EDITION」としてパッケージ化されたことで、ファンは再びあの“奇跡の試合”と“青春の熱”に触れられるようになった。
『SLAM DUNK』は、90年代を代表するスポーツ漫画であり、間違いなく日本のバスケ文化に多大な影響を与えた金字塔だ。あの頃、ジャンプ片手に夢中になって読んだ。何度も何度も読み返して、桜木花道の成長に心を震わせ、流川楓のクールさに痺れ、三井寿の涙に胸を打たれた。
そして2022年、まさかの劇場版新作──しかも井上雄彦自らが監督・脚本を務めるという、想像を超えたプロジェクトの完成。原作の“山王工業戦”を軸に、宮城リョータの視点から再構成された本作は、かつてのファンの魂に火をつけ、未だに熱狂を呼び続けている。
STANDARD EDITIONを手にし、自宅であの熱狂を再体験した今、あらためて語りたい。この作品は、ただの“続編”ではなく、我々ファンへの“感謝と覚悟の返歌”であると。
【1】見どころ:すべてのプレーが命を賭けた“戦い”に見える
本作の最大の見どころは、何といっても山王戦の描写の圧倒的リアリティだ。井上監督は「スポーツの現場に宿る緊張感」を描くことに徹底的にこだわり、動き、音、表情、そのすべてが“生きている”かのように描かれている。
バスケットの描写は、もう「アニメ」という枠を超えていた。3DCGと手描きを融合した独自の映像手法で表現されたコート上の攻防は、観ているこちらの息が詰まるほどの緊迫感に包まれている。ドリブルの音、パスの弾道、シューズが床をこする音、そしてシュートの瞬間の静寂──すべてがリアルだ。
湘北メンバー一人ひとりのプレーに命が宿っている。花道のリバウンドは、もはや「神がかり」と言えるほどの執念だし、流川の“エース”としての覚醒は、言葉では表現できないほど美しい。どのカットも、漫画では見えなかった「プレーの重さ」と「葛藤の深さ」を浮き彫りにしてくれる。
【2】感動のポイント:宮城リョータの物語──初めて語られた“彼の痛み”
本作が原作と決定的に異なるのは、「宮城リョータを主人公に据えた再構成」にある。今まで語られることのなかった彼の過去──沖縄出身であり、バスケの才能に恵まれた兄を事故で失ったこと、そして兄の影に苦しんできたこと──が初めて明かされる。
兄を亡くし、家族に言葉をかけられず、海の向こうへと渡ったリョータの孤独。その痛みが、静かに、しかし強く胸に迫る。
「小さくても、誰かの期待を背負ってコートに立っている」
その姿は、まさに“戦士”そのものだった。
特に感動的なのは、試合の中盤、リョータが兄の幻影と対話するシーン。自らの過去と向き合い、「オレは、ここにいる」と自分の場所を見出すその瞬間は、ファンの誰もが涙したのではないだろうか。
彼は、ずっと兄の幻影を追い続けていた。でも、あの日の湘北の5人とともに、彼は自分自身のバスケットを見つけたのだ。
【3】ファンとしての熱い思い:これは「夢の終わり」ではなく「未来への継承」
正直、ファンとして本作が発表されたとき、不安もあった。「今さら山王戦?」「リョータ主役?」「キャラの声優が総入れ替え?」──そんな声がSNS上でも飛び交っていた。
しかし、映画を観た後、そのすべてが杞憂だったと断言できる。
本作は、間違いなく『SLAM DUNK』という作品への最大級のリスペクトと愛に満ちた作品だったからだ。
かつて、あの試合を「ただの勝負」として見ていた我々は、大人になって初めて、その裏にあった「人生」や「家族」、「居場所の意味」に気づかされた。リョータの物語は、誰もが経験してきた“痛みと再生”の象徴であり、あの日、体育館で汗を流していた“あの頃の自分”と重なった。
さらに言えば──
この作品が「山王に勝って終わり」ではなかったことが、何より嬉しかった。湘北はその後負ける。だが、それでもいいのだ。あの一戦で彼らが見せた“本気”こそが、何より尊い。
そして今、こうしてSTANDARD EDITIONとして家庭で再体験できることも、ファンにとっては感慨深い。映画館で味わったあの熱狂が、いつでもよみがえる。繰り返し観ることで、初見では見落としていた細やかな演出にも気づき、また涙する──そんな幸せを、井上監督は与えてくれた。
終わりに:ありがとう、SLAM DUNK。そして、これからも。
『THE FIRST SLAM DUNK』は、「終わり」ではない。
これは“ファンの中にずっと残っていた何か”が、ようやく形になった瞬間だった。
過去の自分と向き合い、仲間と繋がり、家族を想い、すべてを出し切る。
それは、ただのスポーツじゃない。人生だ。
「バスケがしたいです」
あの言葉が、再び我々を熱くさせてくれた。
SLAM DUNKは、永遠に終わらない。
それは、我々一人ひとりの心の中で、ずっとドリブルの音が鳴り続けているからだ。
ありがとう、宮城リョータ。ありがとう、花道。ありがとう、井上雄彦先生。
そして、もう一度言わせてほしい。
「SLAM DUNK、最高!!」
余談ですが

こんなツーショットも見たかったですね
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